マラウイ大雨洪水被害の復興支援~Nursery schoolを再建します~
2016/02/21

しばらくブログを更新していませんでしたが、元気に活動しています。
以前、現在の私の活動は次の3つだと書きました。「JICA技術協力プロジェクトのモニタリング・技術の普及」、「大雨洪水被害の復興支援」、「初等教育の調査」です。
どれも少しずつ進んでいますが、今回は「大雨洪水被害の復興支援」活動を紹介します。Nursery school(保育所)の再建支援を現在進めています!
SPONSERD LINK
大雨被害について
大雨洪水被害の概要は以前にご紹介した通りです。
1月にマラウイ南部に降り続いた大雨の影響で家が崩壊し、畑の作物や肥料が流されてしまうという被害が発生しました。4カ月が経ち、村人自身で修復した家もあれば、崩壊したままの家もあります。
また、大雨の影響で主食のメイズの収穫量が昨年よりも悪いという声をよく聞きます。
私の任地でも被害にあった農家が多く、普段関わりのある人たちに何らかの支援ができないかと隊員有志で対応を考えていました。
支援の内容
大雨が降った直後に村に行って被害状況を調査すると、様子を見た7村で約2割の家が全壊、半壊などの被害にあっていました。
そこで当初は1~2村を選定し、クラウドファンディングで資金を調達して、被害にあった全ての家の再建支援を行おうと思っていました。
しかし、隊員同士で話したりシニアボランティアにアドバイスをいただいた結果、全ての家を修復するというのは時間的にも規模的にも対応しきれないだろうということになり、公共施設の修復を行うこととなりました。
最終的に、私の任地と私の同期隊員の任地のNursery schoolを1軒ずつ、合計2軒の修復を行うことになりました。
資金調達は『日本マラウイ協会』のWarm Heart Projectに申請し、無事に承認をいただくことができました。⇒日本マラウイ協会 ウォームハートプロジェクト
援助いただいた額は日本円で30万円(約106万クワチャ)で、この半額の約53万クワチャが私の担当する修復の予算です。
大雨被害があったのが1月、マラウイ協会に申請をしたのが4月末と、支援計画をまとめるまでにかなり時間がかかってしまいました。
任期は今年の9月末までなので、何とか帰国前に支援を完了したいところです。
Maleure村のNursery school
私の担当は、こちらのNursery schoolです。
大雨の影響で壁が崩れてしまいましたが、村人が自分達で修復するお金がないため、そのままの状態で運営されています。
午前中は幼児が学習し、午後は小学校の低学年の子が来て週に3回学校の補習授業が行われています。
活動でよく関わっていた村であること、公共の施設であること、元々村人が主体となって学校を運営していたこと、村長が信頼できる人物であることなどからこの村にしました。
この建物の横に、新しくて丈夫な校舎を建設します。
(見積もりをとる際に参考にした近所のNursery school)
しかし、いざ修復するといっても、資金を渡しただけでは修復にお金を使ってもらえるかも分からない(横領されるかもしれない)し、修復が無事に終わったとしてもしっかりその後も運営してもらえるかわかりません。予算も限られています。
何より、支援することで「外国人がまた何かあったら助けてくれる」という気持ちを持たれるのも嫌です。
そこで隊員同士で相談し、村人にオーナーシップを持ってもらうために、私たちが支援する部分と村人自身にやってもらうことを明確にしました。
村人主体でやってもらうこと
・校舎建設場所の地ならし、土台作り
・村で用意できる資材の調達、およびその運搬
・校舎の建設作業
私たちが支援すること
・資金調達
・村で用意できない資材の購入と村への運搬
できることは自分達でやってもらうというスタンスです。
現在の状況
先週は連日朝7時に訪問して、一緒に建設予定地の草刈り・木の根の掘り出しを行ってきました。
なかなかの重労働で、昼前まで作業して汗びっしょり、手に水ぶくれが4か所できて全てつぶれました。痛い・・・。
ただ、こうして一緒に作業を手伝ってみると、完成が楽しみだし愛着がわいてきました。校舎の建設作業を村人の責任で進めてもらうとしたのは、『自分達のもの』だと認識してもらう上で重要だったなあと思います。
10日の日曜日には、村人のミーティングに参加してこの支援の主旨、全体予算、などを話して来ました。また、村人たち建設に必要な工程を出してもらい、それぞれの作業に必要な日数、完成予定日までのスケジュールを立ててもらいました。
立てたスケジュールはカレンダーに書き込み、校舎の壁に掛けておいてみんながいつでも確認できるようにしました。
・5月中にレンガなどの資材を運び終え、6月から建設に着工できるようにする
・完成は6月いっぱい
というのが村人の立てたスケジュールでした。
多分スケジュールは後ろにずれると思うので、6月に完成させるつもりでやってもらって7月末までに完成すればいいかな・・・くらいに思って作業の様子を見守っていこうと思います。
予定では今日から1週間、土台部分に使う石を運ぶ作業を行うのですが、本当にやっているかなあ・・・と思って今日の夕方に訪問してみました。
すると、きちんと運ばれていました。
もし、このペースで進めてくれれば予定よりも早く次の工程に進めそうです。「Yuhoが帰る前に完成させるんだ!」と言ってくれているので、ありがたい限りです。
私の仕事
私のやることとしては、送金いただいたお金を引き出したので、あとは運搬する資材の準備をして運ぶだけです。今週土曜日に注文したドアが完成するので、それに合わせて来週の火曜日に村へ全ての資材を運ぼうと思っています。
ちなみに、引き出した106万クワチャ(約30万円)。
マラウイでは1000クワチャが最大の単位で、1000クワチャ札が1060枚あることになります。重かったのですが、「このお金には日本で応援してくれている方々の気持ちが詰め込まれているんだ・・・!」なんてクサいことを考えながら、大切に運びました。
ということで、学校の再建作業が始まりました。
しっかりと任期中に完成できるよう、マラウイ人主体で予定通り進めるよう見守っていきたいと思います!
マラウイ協会には毎月報告をしていくので、同じようにブログでも定期的に進捗状況を書いていきます!
Zikomo!!(マラウイのチェワ語で「ありがとう」)
『とべ、UFO!』を書いている人

- University of East AngliaTwitter:@tobeufo
- 元青年海外協力隊コミュニティ開発隊員。アフリカのマラウイで活動していました。2016年からイギリスに大学院留学しています。競馬観戦が好き!
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