マラウイの農業に必要なことは?アフリカの土壌についての考察

      2016/02/21

土

オフィスに『Guide to Agricultural Production in Malawi』という分厚い資料が置いてありました。

GAP

マラウイの農業省が発行した物で、マラウイの農業について色々とまとめられていました。その中でも土について書かれている部分があったので、その内容からマラウイの農業、特に土壌における課題と改善点を考察してみました。

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栄養素の問題が様々な要因から引き起こされている

・土壌は酸性で、交換性アルミニウムによって引き起こされている。

・以前は移住性の農耕をしていたが、人口増加が原因でその期間が短くなったり定住するようになったため、土地がやせ土壌流出が起きるようになった。

Guide to Agricultural Production in Malawiより

これによると、元々の土壌が良くないことに加えて人口増加によって、土壌の栄養状態が悪くなっていると書いてあります。

人口は1591万人(wikipediaより 2012年)⇒1737万人(CIAより 2014年)。

平均寿命は52.9歳(wikipedaiより 2008年)⇒60.0歳(CIAより 2014年)と、人口は確実に増加しており今後も増加を続けるのでしょう。では、マラウイ政府は土地の肥沃度の問題にどう対応しているのでしょうか?

 

土壌分析に基づいた肥料の施肥を行っている?

・農産物の収量増加を持続可能にするため、肥料の適用はとても重要である。

・肥料の効果的な活用のために、土壌分析のデータに基づくこと。

・土壌分析を行わずに肥料を用いることは、医者の診断なしに薬を服用するようなものである

Guide to Agricultural Production in Malawiより

ほー、なるほど・・・。

3番目の項目を見て驚きました。現場では誰も土壌の状態把握なんてしていないからです。少なくとも、私が赴任してからは一度も土壌分析しようなんて話は聞いたこともありません。とりあえず肥料を使えばメイズ(とうもろこし)の収量が増えると思い込んでいます。

一応、マラウイには2か所土壌分析ができる施設があるようです。

 

マラウイの土壌の性質

表

(Guide to Agricultural Production in Malawiを基に作成)

※pH:水素イオン濃度指数。7が中性で、低いほど酸性が強くなる。

※CEC:陽イオン交換容量。大きいほど多くの陽イオンを保持できる(保持できる養分量が多い)。

土

マラウイの土は全体として赤土で、強い酸性。日本では、有機物が多い土壌は黒っぽく、これほど強い酸性ではありません。日本の土壌の種類ではCECは30~200くらいらしいので、マラウイの土壌の養分保持能力はかなり低いということになります。

農業を頑張るには中々大変な環境であることがデータ的にもはっきりとしています。では、マラウイの農業政策はどのようになっているのでしょうか?

 

肥料をばら撒いて収量を上げてきた

堆肥

(村人と研修で作った、堆肥を作る装置)

マラウイでは現在政府がクーポンを発行して、1万クワチャ以上する肥料1袋(50kg)を500クワチャ程度で買えるようにしたり、短期的なローンを組めるようにして、農民が肥料を買うことを促進しています。でも、これは単なるバラマキでしかなく、『肥沃な土壌をつくる』といった発想と対策が必要なのではないかと思っています。マラウイの財政の約40%は外国からの援助に頼っているので、支援国が援助を打ち切るとすると、このバラマキは実施できません。

具体的にやったらいいと思うのは、

①肥料を継続して使用して、毎年の十分な収穫量を確保する

②堆肥等の活用で、長期的に土壌の肥沃度向上を目指す

という、短期と長期両方の政策が必要なのだと思っています。

Guide to Agricultural Production in Malawiの中では、堆肥等の活用については少ししか触れていませんでした。残念。

 

まとめ!

・マラウイの土壌の状態は概して良くない。

・根本的に土壌を改良する政策は取られておらず、とりあえず肥料を使うという対処療法しかできていない。

・一応、国としては土壌分析に基づいた施肥を目指している。

肥料を安く買えるという政策は、受け取る農民にはありがたいものですが、その場しのぎでしかないと個人的に思っているので改めてもらいたいです。しかしこれを辞めると宣言したら国中の農民が反対をするので、こういった提案をする政治家は現れないのでしょう・・・。

一応、国としても適切な施肥を目指している様なので、それが実施されるようになってほしいものです。

堆肥やコンポストの紹介や活用は私にできることなので、村を周る際、そういった観点も持ちながら活動して行きたいです。

 

Zikomo!!(マラウイのチェワ語で「ありがとう」)

 

参考

マラウイ農業政策に必要な2つの方針(とべ、UFO!の移転前のブログ)

アフリカの土壌の特徴(アフリカ日本協議会)

マラウイ (Wikipedia) 

THE WORLD FACTBOOK Malawi (CIA)

肥沃な土壌とは(YANMAR)

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