「売れる商品」なんて無い!あるのは「売れる売り方」だ!をマラウイに適用してみる
2016/02/21

「商品というのは『売れる商品』があるのではなく、『売れる売り方』があるだけ」
マラウイではIGA(収入創出活動)やOVOP(一村一品運動)が隊員の活動の一環として行われています。しかし、商品はマラウイ人にはあまり売れず、隊員や外国人客が主に買っています。その売上自体もそれほど多くはないと聞いています。
「なんでだろう?」と思ってはいたのですが、冒頭の言葉がヒントになるような気がしました。冒頭の言葉はこちらに書いてありました。『売れる商品があるとういうのは幻想。「編集力」を鍛えることが肝要。』
SPONSERD LINK
IGA,OVOPとは?
IGAとは
Income Generating Activities(収入創出活動)の略でマラウイでは隊員が村のグループの人たちに何か物の作り方を教えて売っています。村人の現金収入を増やすためです。
チテンジベルト(1本MK2500)
マラウイにはIGA分科会というIGAに関わる隊員の勉強会もあります。
OVOPとは
モリンガのパウダー(1つMK800)
One Village One Product(一村一品運動)の略で、日本の大分県が発祥です。一つの地域で「これだ!」と言えるモノを名産品として作り、売り出します。マラウイにはOVOP事務局というのがあって、この事務局がOVOP商品を製作するグループに対して必要な機械を買うお金の貸し出しや販売のサポートなどを行っています。
OVOPグループを見学
任地の近くにOVOPのグループがあると知ったので、先日その工場を見学させてもらいました。
このグループは25名のメンバーで活動していて、バオバブやニーム、モリンガといった植物からオイルや石鹸、お湯に溶かして飲むパウダーなど結構色々な商品を作っています。
問題点
グループの運営等にも多々問題があると感じたのですが、商品について問題だと思ったのは下記3点。
・商品が無駄に多い
商品は10種類以上あるそう。なぜ作ろうと思ったのかというと、「他のグループも作っているから」、「買った機械で作れるものだから」などなど。
「他のグループが作ってるならOne Village One Productじゃないやん!!!」と思わず心の中でツッコんでしまいました(笑)。
基本的に『誰に売りたい』とか、『どう売りたい』という考えはなくて、とりあえず作れる物を作って売ってみるというスタンスの様です。
・見ても買いたいと思えない
まず、パッケージされていない商品も工場で販売していました。置いてある場所も目立たない。見ても何だか良く分からない商品もあり、見た目があまり綺麗じゃないものも・・・。買いたいとは正直思えませんでした。ごめんよ。
・味が・・・
買いたいとは思わなかったものの、一つだけ買ってみました。ラベルはありませんが、「バオバブコーヒー」です。
家に帰って早速試飲。
「ん、これコーヒー?味が薄い。」というのが感想。
うちに遊びに来てくれた人にも飲んでもらうと「コーヒーではなく、あずき汁を薄めたような味」という感想をいただきました。
いくら身体に良いと言っても(そう説明してくれた)、これでは買わないし買っても飲まないなあ。
『売れる売り方』を考える
冒頭に紹介した記事では、使えなくなったヨーロッパの鍵の事例が紹介してありました。『売れる商品があるとういうのは幻想。「編集力」を鍛えることが肝要。』この鍵がなんと1本5000円!!
商品POPには
Vintage Key
古い鍵・・・この鍵で世界の何処かの扉が開くかもしれません。
キーホルダー・ストラップなど様々なご使用方法をお楽しみください。
と説明が書いてあります。
この商品を扱っている店が日経新聞の記事でも紹介されたそうです。
「世界の何処かの扉が開くかもしれません」という物語を付加することによって、その編集力で売っている。
物語性がありますよね。
商品そのものの意味を変えて、価値を創出した例です。
商品っていうのは「売れる商品」があるのではなくて、「売れる売り方」があるだけなんです。
何でもない鍵が売れるのであれば、体にいいモリンガパウダーなんかは、売り方を考えればもっと売れるはずだ!
と思い、家にある商品で実践してみました。
あずき汁・・・?いやいやコーヒーです!
身体にとてもいいんです!!
バオバブコーヒー MK800(約200円)
実用的なお土産が欲しい!そんなあなたにオススメ!
お財布としても携帯入れとしても使えます。
マラウイのチテンジがポイントです☆
ポーチ MK500(約125円)
すぐ飲める!かわいい!
ペットボトルホルダー MK1000(約250円)
物語を付加するというより単なるキャッチコピーになりましたが(笑)。
(キャッチコピーについてはこちらもご覧ください!勉強するなら今でしょ!キャッチコピー力の基本)
ともかく、『売れる売り方を考える』。試してみる価値はある気がしています。
今後一緒に活動していくかは未定
「ぜひ来てほしい!」と言われ見学させてもらったものの、次回のミーティングに参加したいと伝えるとちょっと微妙な顔をされました。次回の日程が決まったら電話すると言われて早3週間。連絡はありません(笑)。
もし今後一緒に活動するとなったら、売り方の勉強会をして、商品POPをみんなで作って、実際に売り出していくという形になるかなあ。
とりあえず電話してみよう。
続報があれば、追って報告していきます。
Zikomo!!(マラウイのチェワ語で「ありがとう」)
『とべ、UFO!』を書いている人

- University of East AngliaTwitter:@tobeufo
- 元青年海外協力隊コミュニティ開発隊員。アフリカのマラウイで活動していました。2016年からイギリスに大学院留学しています。競馬観戦が好き!
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