マラウイの小学生の算数教育における問題と現状に怒り狂った件

      2016/02/21

教科書を真ん中に

よく行く村の村長さんが、今年の夏くらいから家の横に学校を作り始めました。つい先日完成して、先週から子ども達が通い始めたとのことだったので、見学させてもらいました。

この日教室に来ていたのはStandard1(日本の小学校1年生)~Stanndard7(中学校1年生)の生徒で、どうやら塾の様な形式で学校の授業の補習を行うようです。

教室

見学だけのつもりが、「じゃあYuhoはStandard3と4(小学校3・4年生)の算数を教えてね♪」と、しれっと村長さんに言われ、算数を教えてきました。

そこでマラウイの算数初等教育のずさんさを目の当たりにし、目玉が飛び出るほど驚き悲しい気持ちになりました。

今回はマラウイの算数の初等教育に対する問題提起をしていきます。ごく一部の優秀な生徒以外を切り捨てる拷問教育だと思っています。

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教室の様子

黒板見ながら

 教えるのは村長さん一人。教科書がない学年の子には、黒板に問題を書いてそれを解いてもらっています。

 

教科書を真ん中に

 教科書がある学年の子でも、一冊しかないので真ん中においてそれぞれノートに問題を写します。

 

村長の周りに子ども

解答冊子がないので、解き終わった子は村長と私の元へ丸付けをしてもらいに来ます。質問などもあるので、村長さんの周りは常に子どもでいっぱい。

 

計算を補助するのにビンジュースの蓋を利用してこんな物を使っています。

補助の道具

『5+3』という計算だったら、5つの蓋を左に移動して、そこからさらに3つ左に移動して、左側にある個数の合計を数えて使います。

 

この状況で村長さん一人で運営するのは無理があるよなあ・・・。

この村長さん、教室の素材(レンガ)の準備、建設、指導を全て一人で実行に移してきているので素晴らしい。これまで関わってきて、その人間的な素敵さは十分知っているので何とか力になってあげたい。

 

ものすごく難しい算数の教科書

算数の教科書

これは4年生の教科書。4桁の足し算を3つ一気にやる問題です。

日本の指導要領では、基本的に習うのは3桁まで(4桁は確か応用で少しやったくらい)で、3つの数の足し引きはやっていないと思います。

という訳で、日本の内容と比べても格段に難しい内容を学習しています。

放課後に友達と遊ぶ時間を削って、自主的に勉強しに来てるんだからみんな偉いなあ・・・。

 

子ども達の計算力

マラウイの小学生が難しい内容を学習しているのは教科書を見て良く分かりました。ではそれを解く子ども達の計算力はどのくらいなんでしょうか?

こんな感じで解いていました。

数える①

手を使って、123…と数えて計算しています。

数える②

こちらは3年生がひっ算の引き算を計算する動画。

3桁の引き算を百の位から計算し、十の位の『3-2』を指を使って数えて計算しています(百の位から計算するのはとても高度な解き方です)。

教科書の内容は非常に難しいのに、計算力が追い付いていない印象です。

 

分かった現状のまとめ

たった2時間程度、4年生の教科書をざっと見て学習する子ども達の様子を見ただけですが問題だらけだなあと思いました。

・教科書が難しい(必要以上の内容を網羅している)

・子どもの暗算力をつける指導がされていない

・教師が足りない(村で指導ができるのはこの教室の近くでは村長さんのみ。私の家の近くの小学校では、1人の教師が60人の生徒を担当しています)

・黒板・教科書・ノートなど、モノがない

・雨季に授業ができない(わらぶき屋根なので、雨が降ったら筒抜け)

 

子ども達を『拷問』する算数教育

いじめる

計算が全然できていなくても、子ども達は全く悪くありません。学校で習ったやり方でまじめに解いています。解いた問題が間違えていても、また一生懸命数え直して私の所に持ってきます。

 

学校で習った通りにやっても計算力はつかない。教科書の問題は難しい。だから、一生懸命取り組むのに正解できない。

こんな事が繰り返される現状は、本当に『拷問』だと思います。

努力する子が報われず、ごく一部の数感覚のある天才肌の生徒しか先に進んでいけないのではないでしょうか。

 

悪いのは子どもではない。

悪いのは到達点をどこにしているのか、意図の分からない教科書(指導要領・カリキュラム)であって、それを作った大人たちです。乱暴な事を言えば教育分野で援助をしていると言っていながらこんな状況を変えられていないJICAにも責任があると思います。

 

どうしたらいいんだろう?

計算

算数で一番大事なのは計算力です。

計算力をつけるために根本的に大切なのは、数の感覚を身に付けること、基礎的な計算を暗算で素早く解けるようになるまで練習を繰り返すことです。それを土台にして掛け算、割り算と進み、最終的に微分や積分などの高度な計算につながっていきます。

学校での指導の根本にあるカリキュラムを改善しないことには、この状況は変えられないと思います。

 

マラウイの教育分野では、JICAは中等教育の理数科教育の向上を目指して技術協力を行っているようです。

JICAマラウイの取り組み

初等教育以外にも問題は山積みだろうし、中等教育の改善に乗り出したのは専門知識があってマラウイの現状を把握されている方が判断したことなんでしょう。

たかだか民間の教育会社で4年弱働いた若造の言うことに説得力があるとも思いません。

でも、マラウイの教育に必要なのは

・適切なカリキュラムを作成できる人材の育成

・算数の拷問教育の改善

の2つだと思います。

算数の基礎がしっかり作れなければ、この国の理科系の分野の将来はないと思います。

 

私にできること

なんだかヒートアップしてしまいました。

「JICAは何やってんだ!」みたいな事書いて怒られないかな・・・(笑)。

協力隊である私にできることは、目の前にいる子たちのために最善を尽くすこと。

前職で学んだことを子ども達のために活かせたらいいな・・・ということで、村長さんの運営する学校では算数の基礎計算の徹底練習をしてみようかな。

学校で何かやるとしたら、『日本の文化紹介をしたい!』なんて思っていましたが、それだと単なる自己満足かなあ・・・。

日本を知ったところで実際に来日できる子はごくわずかだし、それなら子ども達の役に立つことがしたいです。

 

村長さんの理解を得ること、これから雨季で定期的に学校に通うのが難しそうなど課題はありますが、やれる範囲で子ども達のために頑張ってみようと思います。

帰国までには、何らかの形でこの活動の報告ができるようにしたいです!

(日本全国のくもん関係者の方、不要な数字の表やすうじ盤(特に30)がありましたらご寄附いただけると嬉しいです。「いいよ!」と言う方は下記までご連絡ください。マラウイへの送付方法など、ご相談させてください。お問い合わせページ

 

偉そうに物を言って失礼しました。

次回は、今回に関連して算数の基礎計算力の伸ばし方について書いてみよう思います。

 

Zikomo!!(マラウイのチェワ語で「ありがとう」)

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