途上国の人々との話し方~村人の本音を聞き出す技術~

      2016/02/21

インタビュー

「なぜリードファーマーの人たちは無償で村人にトレーニングを行うのですか?」

VHと家の前で

私の日々の活動は、村を巡回しJICAのプロジェクトで実施したトレーニングがどれだけ定着しているか、どれだけの効果があったのかをモニタリングしています。

リードファーマーとは農民から選ばれる農民のリーダーで、政府等の実施するトレーニングに参加してそれを農民たちに伝えたり、農民を取りまとめたりしています。学校のクラスの学級委員のような存在です。

 

訪問した村々で村長に冒頭の質問をして、ほぼ必ず返ってくるのが次のような回答。

「彼らはJICAのトレーニングを受けた恩恵を村人に還元したいと思っているんだよ。」

 

 

 

・・・

(リードファーマーになる人はみんな素晴らしい人間なんだなあ・・・。)

と、初めは思っていました。

でも、どこの村でも似たような事を言われる。嘘は言っていないと思うけど、本音ではないとも感じる。村に行く頻度を上げてコミュニケーションを取れば本音で話してくれるのだろうか・・・?

 

そんなモヤモヤとした悩みが1冊の本を読んで晴れました。結論としては、重要なのはコミュニケーションの『頻度』ではなく『質』。質問の仕方でした。

SPONSERD LINK

 

『途上国の人々との話し方』

400ページ以上もある分厚い本で紹介したい内容がたくさんなのですが、活動に役立ちそうだと思った下記2点を紹介していきます。

・質問で尋ねる3つの要素

・事実質問の力

 

質問で尋ねる3つの要素 

事実(Fact)

概念/意見(Perception)

感情/情緒(Feeling/Emotion)

の3つです。

 

例えば、朝ごはんに何を食べているか聞く方法に、次のような聞き方があります。

①「今朝は何を食べましたか?」

②「いつも朝ごはんは何を食べますか?」

③「朝ごはんは何が好きですか?」

 

①は、今日食べた物(事実)を、③は感情を尋ねています。

②は事実を聞いているように見えて、考え(思い込み)を聞いています。「毎朝米を食べています」と答えたとしても、今朝何を食べたか、昨日の朝は何を食べたかを聞いていくと、意外に最近はパンを食べていたというのが事実だったりします。

(例は、リンク先の『「事実質問」って何??』の記事から引用しました。対話型ファシリテーション自主学習ブログ

 

こんな風に、思い込みを基にやり取りをしてしまうと、事実に基づかない、願望やら抽象的なことばかりのやり取りになってしまう。そういった抽象的な議論の応酬のことを本書では「空中戦」と呼んでいました。プロジェクトの調査などで現状を把握したいときには、「空中戦」でなく地に足のついた「地上戦」にもっていかなければいけないと書いてあります。

 

地上戦に持ち込むための『事実質問』

地上戦

では、地上戦に持ち込んで本音を知るためにはどうしたら良いのか?

それに対する答えが下記のような『事実質問』です。

・何、いつ、どこ、誰、といった単純な疑問詞

・「~がありますか」といった経験や存在の有無を尋ねる質問

・「~を知っていますか?」という知識の有無を尋ねる質問

考えや思い込みを排除して、事実のみを質問していきます。

 

これにより、質問された人が自分の思い込みに気付いたり、単純な質問にテンポよく答えられることでセルフエスティーム(自尊感情)が高まります。そういったやり取りを通じて、村人の心が開かれていくようです。

「人は自分に関心を持って事実を聞いてくる者にこそ心を開く」とのこと!

 

自分の活動に活かしたい!!

これまで、自分で村を巡回していた時は、事実質問は一切使わず、「今の村の問題は何ですか?」(=「今の村の問題は何だと思いますか?」)とか、「なぜ?」と質問をして、事実でなく相手の考えを聞いてばかりだったなと反省しました。

 

対話式ファシリテーションの最重要基本姿勢には次の4つが挙げられていました。

①事実質問の力を信じる

②一対一の対話が基本

③提案しない

④信じて待つ(変化は内側から起こる)

 

この本を読んだことで、村人の本音が分からないという状況を打破できるような気がします。事実質問の勉強と実践を繰り返し、最後は「信じて待つ」という姿勢で活動して行きたいと思います!

ごく一部しか紹介できていませんが、興味を持った方はぜひお読みください!!(借りて急いで読んだのですが、Kindleで出してほしい・・・)

 

Zikomo!!

 

参考:対話型ファシリテーション自主学習ブログ

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